ネギを干すってご存じですか。京都長尾ファームの九条ネギ栽培。
突然ですが、”ねぎ”を”干す”って知ってますか?
京都長尾ファームでは、主に秋~冬に収穫する九条ネギを栽培しています。その栽培方法が少し変わっています。一度ネギを干して、カラカラに乾かした苗を使って育てる方法です。とっても時間と手間がかかる方法なのですが、ネギの旬である秋・冬に大きく甘いネギに育つ先人の知恵が詰まった作り方です。
具体的には、10月種まき→3月に仮植→7月に一度収穫して乾燥→9月ごろ再度畑に植える→10月ごろから翌年3月まで収穫という長丁場です。
ネギの旬は寒くなる季節で、寒さを乗り切るために甘いネギに育ちます。冬のお鍋やすき焼きにとってもあいます。京都の九条ネギの昔からの作り方は、種まきから収穫まで一年以上かかる特別な栽培方法です。私は子供のころからこの方法しか知らなかったのですが、全国的にはそのような作り方は珍しいようですね。そもそも、ネギの利用方法には地域性があるようです。
私は生まれ育ったのは京都府亀岡市ですので、子供のころから食べていたネギは青ネギで葉の緑の部分を利用します。お鍋や炒め物うどんの薬味などすべてこの青ネギです。ところが、就職して関東で暮らしていたときは、スーパーにあるのは主に白ネギです。初めてお料理に使ったときはおいしさに感動しました。
ネギには大きく分けて青ネギと白ネギがあります。京都長尾ファームで作っているのは青ネギです。
どちらのネギもそれぞれ良さがあります。農業を始めて、地域によりネギの栽培方法に違いがある理由が理解できた気がします。関西は粘土質土壌が広く分布しており、粒子が細かく水分を含みとっても重たい土です。土寄せをするは大変難しいです。ですので、土寄せの必要がない青ネギの栽培が普及しているのだと思います。
ちなみに、先日娘にもお手伝いしてもらってネギを干す作業をしていました。とっても暑い中の作業でしたが、頑張ってコンテナに引いたねぎを詰めてくれていました。京都長尾ファームでは、このコンテナをビニールハウスに持ち込んで乾かしています。冬のお鍋においしいネギを作るため暑い中頑張りました。10月ごろから九条ネギの収穫が始まりますのでお楽しみにお待ちくださいませ。
(参考)
現代農業2015年11月号