実生活に根差したお米の単位

お米の単位

京都長尾ファームでは今年からお米をオンラインショップ及び産直ひろばで販売を始めました。
お米は玄米の状態で貯蔵していますので、販売するときは精米してから販売しています。
玄米は30㎏の袋で保存しているのですが、販売するときは、3㎏や5㎏に小分けしています。

お米を触りながら、大学生の時に感心したお米の単位についての一説を思い出します。
大学の研究室ではお米の栽培に関する研究をしていました。
ちなみに卒論のテーマは「イネ―マメ科二毛作におけるN施肥効率(N動態)に関する研究」というものでした。
あまり研究熱心な学生ではなかったと記憶していますが、お米に関する論文や書籍はそれなりに読みました。その中に以下のようなお米の単位について、「お米って日本人の生活の基礎だな」と実感するような興味深い一説があったこことを記憶しています。

生活に根差したお米

お米の量を表す単位に尺貫法による体積を表す「合」、「斗」、「石」というものがあります。また、農地の面積を表す「畝」、「反」、「町」というものがあります。(一般的に使われるメートル法ではそれぞれg(グラム)やa(アール)などを用います。)
未だに農家の会話では尺貫法による単位が一般的です。

そのとある説によると、一人が一日に食べるご飯の量が「1合」、一年に食べるご飯の量が「1石(=1,000合)」とのことでした。そして1石を収穫できる面積が「1反(=約1,000㎡)」というものでした。つまり、一人を養うために必要な面積が1反ということです。

ちょっと確認のため計算してみます。
1合は180㎖で洗う前のお米で約150gだそうです。お茶碗一杯が約65gらしいので1合はお茶碗2杯強です。一日三食で1合ずつ食べれば1合*3食*365日=1,095合で大体1石(=1,000合)です。
昔は1反当たりのお米の収量(反収)が150㎏ぐらいだったそうです。
一日に1合食べると一年で必要なお米の量は150g(1合)*3食*365日≒164㎏
大体、この説を裏付ける計算になります。
学生の頃にこの単位の話を聞いて、お米って日本人の実生活に根差しているなと興味深かったのです。

お米を食べる量は減っている

でも、今の日本で毎食1合食べる人は稀ではないかという気がしてきました。
毎食、お茶碗に2杯も食べるでしょうか。
せいぜい食べてもお茶碗1杯、もちろん主食にパンや麺類を食べてお米を食べない事もあります。
そこで、現在のコメの消費量を確認してみました。
農林水産省ホームページ(http://www.maff.go.jp/)からの資料「米をめぐる状況について」(http://www.maff.go.jp/j/seisan/kikaku/kome_siryou.html)よりグラフを引用します。
農林水産省 米をめぐる状況
お米の消費量ってずっと下がり続けています。

昭和37年には米の消費量は118.3㎏あったのが平成29年には54.2㎏まで減っています。大体一食あたりお茶碗2杯弱から1杯弱に減った計算になります。なんとなく実感でるデータです。

ちなみに、同じく農林水産省の農地に関する統計(http://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/data/10.html)によると、平成29年の耕地面積が444.4万haです。ここから何人の人口を養えるかということも計算してみます。
444.4haつまり4,444万反です。1反で1人の一年分の食料を生産できるとすると4,444万人を養える農地が日本にはあるということでしょうか。
実際には食料の輸入や化石燃料などのエネルギーや化学肥料を輸入しているので単位面積当たりの収量が増加することで、今の日本の一億人超の人口を養えているのかなという感じがします。

かくいう我が家は、東京でサラリーマンをしていたときは、一日に夫婦で1合を焚いてもご飯が残るほど、自宅でお米を食べませんでした。
一方で京都で農業を始めてからは一日3合を食べるようになりました、肉体労働をするととってもお腹が減ります。そして娘も成長中なのでお米をよく食べています。

そんなわけで、最後になりますが、京都長尾ファームのお米も是非よろしくお願いします!
https://nagaofarm.thebase.in/

 

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