美味しいお米の品種の選ぶポイント

お米の品種の流行り廃り

京都長尾ファームは、令和2年の田植えから50日が経ち、あと2~3週間で穂がでるところまで成長しています。今年も京都長尾ファームではコシヒカリという品種を作って います。
お米にはいろいろな品種があります(なんと、国に登録されている品種は900種あるそうです(公益社団法人米穀安定供給確保支援機構情報部より))。今回は、お米の品種と選ぶポイントについて書きたいと思います。

先日、友人と話していて気が付いたのですが、私(40代)が子供のころはお米の美味しい代表品種と言えば「コシヒカリ」・「ササニシキ」でした。ところが、ササニシキは最近ではめっきり聞かなくなりました。気になったので、最近のお米の栽培面積を調べてみました。

令和元年 米作付面積

確かに、コシヒカリは依然としてトップの作付面積ですが、ササニシキは全然出てきません。作付面積のデータはなかったのですが、出荷数量から推計すると約0.3%の栽培面積でした。なぜ、これほどまでに減ってしまったのでしょうか。
理由を調べました。ササニシキは、平成2年時はコシヒカリに続く作付面積2位だったようです。しかし、耐冷性が弱かったため、平成5年の冷害で大きな被害を受けたことからほかの品種に置き換わってしまい、徐々に栽培面積が減っていきました。栄枯必衰は世の習いですね。時代に求められるものは刻々と変化しているようです。

新しい品種が次々誕生しています

ところで、青森県・青天の霹靂、新潟県・新之助、富山県・富富富、石川県・ひゃくまん穀、宮城県・だて正夢、福井県・いちほまれ、滋賀県・みずかがみと聞いて何のことだかお分かりになるでしょうか?

これは近年開発されたブランド米の品種です。次々に都道府県単位で独自のブランド米が開発されています。なぜ、このように次々に新しい品種が開発されているのでしょうか。背景には次のような理由があります。

〇 ブランド力向上

〇 需要の多様化への対応

〇 気候変動(温暖化)への対応

お米の消費量は年々減っています。そこで、消費拡大に向けての産地の努力、つまり消費者に食べてもらえる米の品種開発が行われているところです。さらに、近年、温暖化の影響から、既存品種には栽培期間に高温による影響が出ています。実は、京都府でも、新品種を開発中だそうです。数年後には、京都の独自ブランド米が発表される予定です。聞いているところでは、コシヒカリ並みに美味しくて、耐暑性があり、収量もそれなりにある品種を栽培試験中と聞いています。皆様にも、そう遠くない日に京都の新しいブランド米をお届けできるかもしれません。期待をもってもう少しお待ちいただければ幸いです。

お気に入りのお米の見つけ方

さて、皆様は、どのようにお米を選んでいるでしょうか。親戚や知り合いから譲ってもらっている人、スーパー、近所のお米屋さんあるいはオンラインショップで買っている方いろいろな流通経路があると思います。その際、選ぶ基準として、「価格」や「味・食感」や「産地・品種」など選ぶ観点は人それぞれかと思います。
「味・食感」は人によって異なるし、食べてみないと分からない場合が多いので、「産地・品種」で選ばれている方も多いと思います。お米は品種ごとにおおよそ味の特性があります。各サイト(※)を参考に、作付面積の多い品種の特性を並べてみました。
米品種特性
もっちりしたものは夕食向きで、あっさりしたものは朝食向きだそうです。実際には、同じ品種でも産地または栽培方法によって特性も少し異なるようです。いろいろな品種をためしてみて、自分の好みの品種があれば継続して購入することもいいですね。
最後に米農家である京都長尾ファームから、美味しいお米を選ぶポイントを一つだけお伝えします。それは、低温で貯蔵され、玄米から精米したてのお米を購入されることをおススメします。お米は収穫は秋に行われ、次年の収穫まで一年ほどあります。その間、保存状態が悪いと品質は徐々に低下していきます。また、精米してから時間が経つごとに劣化します。また、虫もわきやすくなってしまいますので、精米して時間のたっていないものを選ぶことをオススメしています。

 

(※品種特性の参考)
パナソニック株式会社(https://panasonic.jp/suihan/20features/concierge.html)
株式会社ヤマタネ(https://www.yamatane.co.jp/kome/story/brand.html)
スズノブ(https://www.suzunobu.com/)

 

 

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